フードマネジメント研究室
静岡県立大学
食品栄養科学部
栄養生命科学科
フードマネジメント研究室
〒422-8526
静岡市駿河区谷田52-1
TEL : 054-264-5514

研究内容

<研究室概要>
  フードマネジメントは, 消費者への「食の提供行為」のあり方を探索する研究分野である。
近年,食品の機能性成分とその様々な生理活性作用の研究が進み,疾病予防への効果が期待されている。
しかし,健康食品の市場拡大,サプリメントや健康食品の消費増大の一方で,それらの長期間,高濃度摂取での安全性,有効性,他の栄養素との相互作用についての知見は不十分である。
当研究室では,食事による機能性成分の摂取のあり方や,疾病予防に寄与しうる食品選択・組合せを用いた食事メニューへの応用について,科学的根拠をもって提案するための研究活動を行っている。
研究手法は,食品素材や料理の機能性成分分析,ヒトを対象とした食品・食事摂取後の各種バイオマーカーの変動分析,短・中期の介入試験による評価を中心に行うほか,中食企業へのレシピ提案,商品化を通した「食環境整備」の効果判定を行っている。


<主要研究題目>

1. 食後高血糖を抑制する食事摂取方法に関する研究
  メタボリックシンドロームの主要な原因因子である食後高血糖, 耐糖能異常の予防を目的とした食事摂取方法として, Glycemic Index(GI)に基づく食品選択や食品の組み合わせに焦点を当てた「複合食」のモデルメニュー(低GI食)の開発と, ヒトでの複合食摂取後の血糖変動, インスリン分泌動態, インクレチンホルモン(GIP, GLP-1)分泌動態に着目した「食後高血糖を防ぐ食べ方」の検証を行っている。
また, 糖質の消化・吸収を穏やかにする食品素材やその摂取方法についても検討している。


2. 日常的な食品素材を用いた高フラボノイド食摂取と生体内抗酸化指標の関連に関する研究
  バランスの整った食事からの機能性成分摂取を推奨するため, 植物性食品に広く含まれ抗酸化活性等の機能性を有するフラボノイドに着目し, 日本人の日常食による主なフラボノイド類摂取量の検討, 食品別・調理方法別のデータベース作成, 高フラボノイド食の開発と生体内抗酸化活性による評価を行っている。
また, 高フラボノイド食の中・長期的な摂取による疾病予防効果をヒト試験により判定している。


3 .静岡県におけるニホンジカのシカ肉有効利用を目指した食資源化に関する研究
  ニホンジカによる食害問題の解決に向けて,その肉を食資源として利活用するための食肉特性の解析,調理・加工法の集積,製品開発を進める。
シカ肉は, 健康志向に合った食材である一方, 野生動物ゆえの個体差, 季節変動, 捕獲方法, 熟成, 調理・加工方法などの様々な要因で肉質が変化する。
物性, アミノ酸の測定, 香気成分分析, 組織観察, 官能評価により食肉特性を明らかにしている。


4. 特定給食施設のフードサービスマネジメントに関する研究
  特定給食施設で導入が増えているクックチル, クックフリーズ, ニュークックチル等は, 繁忙時を避けた調理・保存, 必要時の再加熱・提供が可能な効率的生産方法であり, 現場の人材不足の解決の点でも期待される。
しかしながら、調理食材の適性, 料理の品質, 栄養素の変動についてのデータは少ない。
そこで, 臨床現場での適切な栄養管理を目的としたデータの収集を進めている。
  また, ヘルシーメニュー提供による食環境整備について, 商品化計画, 消費者の意識変化, 経営効果, 給食経営管理の視点からの評価を行う。


5. 災害時における健康維持に関する研究
  近年、東日本大震災や熊本地震からも明らかなように、地震等の大規模な災害の発生時にはライフラインの早期復旧が重要な課題となっています。
そこで本研究では、電力会社の作業者の作業効率を確保し、早期の復旧を図ることを目的とし、作業者の非定常時作業量をモデル化しエネルギー必要量や各栄養素の必要量を推定し、備蓄している非常食を活用したメニューの立案を行います。
さらに、栄養マネジメントおよび食事内容の検討ために介入試験を行い、立案した非常用食事メニュー摂取の効果を明らかにします。