研究テーマ

 

運動や不活動による筋線維特性変化の脂質生化学的解析 

〜骨格筋のリポクオリティー〜




生体膜成分であるリン脂質は、グリセロール骨格に2つの脂肪酸と1つの極性基が結合している。結合する脂肪酸と極性基との組み合わせから、生体内には約1,000種類のリン脂質分子が存在する。リン脂質分子の多様性は生体膜の流動性、小胞輸送、脂質ラフト形成、オートファジーなどに見られる膜のダイナミックな動きを制御するのみならず、受容体やチャネルなどの膜タンパク質の機能を制御する可能性が指摘されている。しかし、脂質はゲノムに直接コードされないため解析が難しく、生体膜を構成する脂質が持つ機能や生理学的役割の多くは未解明のままである。骨格筋のリン脂質画分にはドコサヘキサエン酸量が多く、その量は運動トレーニングや筋萎縮によって変化することが報告されているが、変化するリン脂質分子の正確かつ網羅的な解析はされておらず、筋生体膜を構成するリン脂質分子が変化する機構やその生理学的意義も明らかにされていない。当研究室では、遺伝子改変マウスなどのモデルマウス、培養骨格筋細胞を用いて、骨格筋において運動や不活動によってリン脂質分子の質的変化が起こる機序と、その生理学的意義の解明を行っている。最終的に、リン脂質に結合する脂肪酸種が変化することと骨格筋機能制御の因果関係を明らかにすることにより、『リン脂質に結合する脂肪酸種の変化が骨格筋の機能を制御する』という仮説の検証を試みている。また、本研究より得られた知見や技術をもとに、リン脂質分子種による食肉評価への展開も実施している。


2020年11月17日に開催された静岡県三大学連携シンポジウムで発表した様子

 

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