研究テーマ

 

筋萎縮を予防する物質の探索とその作用機序の解析




超高齢化社会特有の健康問題として、骨格筋機能の低下を伴う「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」が注目されている。筋機能維持には筋持久力の向上や筋量増加が求められるため、運動トレーニングや適切な栄養素摂取が重要とされてきた。しかし、筋機能低下に対して現在推奨されている処置方法は、効果が不十分であることや実行自体が不可能な場合が多く、また薬物療法が存在しないため、筋機能の低下防止は未だ満たされていない医療ニーズ(アンメットメディカルニーズ)である。骨格筋機能を向上させる食素材は「健康保持用摂取品」、化合物は「医薬品」として幅広く受け入れられることが予測されるが、現在ロコモを対象として上市されている製品は少なく、その効果も十分か否かは明らかではない。運動トレーニングは筋持久力を向上させるが、その作用には骨格筋に存在するPGC-1αという遺伝子転写調節因子が寄与している。また、不活動や運動神経障害などは筋萎縮を誘発するが、それにはFOXO1と呼ばれる遺伝子転写調節因子が関与する。当研究室ではPGC-1αとFOXO1に着目し、骨格筋機能維持・増進に役立つ化合物・食品成分の探索を実施し、さらにそれら物質の作用機序の解明を目指している。


Nature誌に紹介された記事

Nature, Vol 543, No 7647, March 30, 2017




 

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