卒業生の声

 

  

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Turning Up !  石野 真悠


 タイトル通り、研究室で過ごした日々は、私の進路を決める大きな転換期となりました。

現在の仕事(製薬会社の創薬研究支援職)につくことができたのは、栄養化学研究室にいたからと言っても過言ではありません。


〈研究室を選んだ理由〉

 食品が与える生体への影響・効果について研究したいと思ったからです。また、教授である三浦先生、助教の守田先生、在籍している先輩方の人柄に惹かれて決めました。


〈研究室で学んだこと〉

「考えること」

 意外に出来ていないと、研究室に所属してから痛感しました。大学の授業では、既に明らかになっているものの知識を身につけることが多いのに対し、研究は正解が何か分からないものを導き出さなければなりません。日々の実験結果と、本や論文などの情報から、何が言えるか考察することの難しさ、面白さ、大切さを学びました。


「相手に伝えること」

 どんなに素晴らしい研究成果を出しても、聞く相手に伝わらなければ意味が無いです。研究室内のデータ発表や学会への参加、卒論・修論発表を経て、聞く人によって言葉を選んだり、データの見せ方を工夫したりすることができるようになりました。会社でも、入社1年目から作成した資料や発表の仕方を褒められるくらい、プレゼン力が身につきました。


〈思い出〉

 BBQ、研究室旅行、部屋飲み等々…。楽しむときはとことん楽しみ、普段の実験はとことん頑張る、メリハリのある研究室でした。何事にも一生懸命な人が多く、私も頑張らなきゃ!と何度も刺激を受けました。


〈大学院進学の意義〉

 大学院で学び得ることは、学部の比ではないです。専門知識だけでなく、研究室内外の人と接する中で、様々な人の考え方やアイディアに触れることができます。辛いこともたくさんありますが、それを乗り越えたときの達成感や、社会に出てからぶつかる苦難に打ち勝つ精神力を鍛えられたと感じています。


〈研究室での経験が社会で役立っていること〉

 「研究室で学んだこと」で挙げたことについては、もちろん役立っています。また就活では、研究室で身につけた動物の取り扱いやLC/MSを用いた測定等の様々な実験手技を評価していただき、現在の仕事でとても活かされています。


〈最後に〉

 偉そうなことを言える立場ではないですが、これを読んでくださった皆様に、「諦めないこと」と「無駄なことはひとつも無いこと」をお伝えしたいです。

 私は研究室で様々な実験手技を身につけたことが評価され、現在の仕事に就くことが出来ましたが、実際は学生時代、なかなか研究成果が出ず先が見えない中、いろいろな実験を試し続けて習得したものです。当時は焦りもあったため、成果が出なかった実験にかけた時間を無駄にしてしまったかもと思っていましたが、そのおかげで今、自分のやりたいことが見つかり、手技を活かせる仕事に就けています。

 得るもの、感じるものは人それぞれだと思います。でもきっと無駄なことはひとつもないので、自分の今興味のあること、今しかできない経験をたくさんしてください。諦めずに一生懸命頑張ると、いつかきっと実を結ぶと信じています。私も、多くを学ばせてくれた栄養化学研究室に感謝し、これからも新たな1ページをturning up していきます。



2020年5月