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食品栄養科学部 環境生命科学科 物性化学研究室

研究概要

カーテン中に含まれる難燃剤のハウスダストへの移行メカニズムの解明

リン系難燃剤は、火災を防ぐためにカーテンや電気製品など多くの製品に含まれている。しかし、いくつかのリン系難燃剤は神経毒性、生殖毒性、発癌性など人体に悪影響を及ぼすことが報告されている。一方で、ハウスダストは化学物質の曝露媒体として知られている。ハウスダストがカーテンに付着するとカーテン中に含まれる難燃剤はハウスダストへ移行する。そのハウスダストは室内中に拡散し、人体へ曝露することから、人体への健康リスクが懸念されている。

ハウスダスト中のリン系難燃剤のリスク評価には、ハウスダスト中のリン系難燃剤濃度に関する情報が必要である。従来では、ハウスダスト中のリン系難燃剤の濃度は、住居、オフィス、教室、車内など様々な屋内微環境から集められたダストの定量分析によって決定されてきた。しかし、そのような実験方法は時間がかかり、高価であり、総合的なリスク評価には適していない。

本研究では、ハウスダスト中のリン系難燃剤濃度を推定するモデルを開発し、ハウスダストへのリン系難燃剤の移行メカニズムの解明を行った。