我が国では、超高齢社会に直面し、メタボリックシンドロームなどの慢性疾患、がん、アルツハイマー病など克服すべき多くの課題があり、健康長寿への社会的要請が強まっています。薬学と食品栄養学分野との連携は、健康長寿の実現に必要不可欠な要素であり、現在、双方の理念と方法論を習得し、技術を活用できる人材が社会で求められています。新たな高次機能性食品の開発や食品からの医薬品シーズの探索においては、薬学と食品科学双方からのアプローチが必要です。すなわち、高い資質と倫理観を有し問題発見・解決型能力を有する国際的に通用する薬・食・環境のエキスパートが必要とされています。
本大学院は、2012年に薬学と食品・栄養・環境領域とを統合し、日本初の「大学院薬食生命科学総合学府」として誕生しました。本研究院は「食品栄養科学部」の大学院であり、「大学院薬食生命科学総合学府」の一翼を担っています。この間、2002年度文部科学省「21世紀COEプログラム」、さらに2007年度「グローバルCOEプログラム」に採択され、教育研究環境を充実させてきました。その結果、「大学ランキング2014」 (朝日新聞出版)の「農学分野」において全国第一位を、「生態学・環境学分野」において第二位を獲得しました。また、2017年発表の文部科学省科学研究費助成事業細目別採択件数の「食生活学」および「統合栄養科学」においても、全国第一位を維持し、「環境リスク制御・評価」および「環境材料・リサイクル」においても上位にランクされています。
本大学院は、アジア圏を中心に多数の留学生を受け入れてきました。また、アジア圏の4大学および米国の5大学との連携協定の下、共同研究や教員・学生の交流も図ってきました。静岡県内外の研究機関、企業ならびに海外教育研究推進機関との大学院の連携も積極的に行っています。薬学、食品栄養科学、環境科学等の最先端生命科学研究に夢と情熱を有する方々を歓迎します。
- 静岡県立大学
大学院食品栄養環境科学
研究院長
- 三浦進司