食品有機化学研究室


ファイトケミカルがつなぐ食と健康
独自開発した物質変換反応を用いて環境に優しい効率的なファイトケミカル合成法の開発

概要

野菜や果物などの植物性食品に含まれる色素や香り、辛味などの成分がファイトケミカルです。動くことのできない植物が、紫外線や病害虫から自らの身を守るために作り出す化学物質です。人間が摂取すると抗酸化作用、免疫増強作用、抗ガン作用を示し、生体調節機能に深く関与するものとして近年注目を集めています。

 
一方、生活習慣病には糖尿病、高血圧症、脂質異常症などがあり、国民医療費増大の要因となっています。これらは発症してしまうと予後不良になりやすく、予防が重要です。
 
私たちの研究室では、様々なファイトケミカルの中から生活習慣病に対して予防効果が期待できる化合物に着目し、合成研究を行っています。ただ作るのではなく、独自に開発した物質変換反応を用いて環境にやさしい効率的な構成に取り組んでいます。

Research

研究内容

  
1. 生活習慣病に有効なファイトケミカルの合成研究

これまでに、生合成経路を模倣してゴマ成分であるセサミンを合成しています。また、独自の方法により微生物発酵茶成分であるテアデノールの合成も行っています。現在、新たなターゲットに向かって取り組んでいます。
 
 

2. 新規蛍光プローブの創製

ファイトケミカルが生体内でどのように機能しているか知るためには、分子イメージング手法が必要です。私たちは植物蛍光成分を参考にして、取り扱いやすい新規蛍光プローブの創製を行っています。
 
 

3. 環境にやさしい物質変換反応の開発

複雑な有機化合物を合成するためには、効率的な物質変換反応が必要不可欠です。環境に優しい反応の開発を目指し、遷移金属触媒や有機触媒などを組み合わせて、これまでにない反応性を探究しています。
 
 

Staff

研究室のスタッフ

江木 正浩(教授)

専門分野:有機合成化学、天然物化学、遷移金属化学
主要研究テーマ:
・食品成分ファイトケミカルの合成研究
・新規蛍光プローブの創製
・遷移金属を用いる新規反応の開発
教員データベース
 

繁田 尭(助教)

専門分野:有機合成化学、天然物化学
主要研究テーマ:
・生理活性天然物の全合成研究
・新規反応開発
教員データベース
 

Contact

連絡先
研究室に興味のある方は、下記メールアドレスまでお問い合わせください。
egi(ここに@をいれてください)u-shizuoka-ken.ac.jp
静岡県立大学 食品栄養科学部   食品生命科学科 食品有機化学研究室
教授 ・江木正浩