メタボローム解析と動物評価系を用いた植物由来機能性・薬効成分の探索
主として植物由来の機能性・薬効成分の経口摂取により,生活習慣病の予防や改善が期待される.まずは,既に全ゲノム塩基配列が決定されたモデル実験植物シロイヌナズナを用い,GeneChip (Affymetrix) による遺伝子発現解析を実施した.一方,成分分析には,Agilent 6510 Accurate-Mass Q-TOF LC-MS/MS,逆相HPLC/フォト・ダイオード・アレイ検出器 ,逆相HPLC/ESA社クーロアレイ検出器 (マルチチャンネル電気化学検出) を駆使した.市場容認性の高い植物遺伝子組換え技術に加え (他研究課題参照),植物への発光ダイオード (LED) 照射により,有効成分の合成を司る酵素の遺伝子発現が上昇し,さらに有効成分含量が増加することを見いだした (下図).有効成分は,広く薬草や樹木からも探索している.さらに,経済産業省等のプロジェクトにより設計設置した亜臨界抽出機により,特定の有効成分が濃縮されることも見いだしている.生活習慣病の予防と改善の観点から,成分の機能性を動物培養細胞および病態動物を用いて評価している.最も商品化が間近な研究成果として,LED照射・機能性強化スプラウトが挙げられる (下図).これらの成果は3件の特許として申請した.
発光ダイオード (LED) 照射による機能性・薬効成分の生産性の向上
LED育成・高機能スプラウト (試作品) -- ポリフェノール抗酸化成分3倍増強