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食品栄養科学部 環境生命科学科 物性化学研究室

研究概要

バングラデシュのコメ消費に伴う確率論的リスク評価と低減策の検討

バングラデシュでは自然汚染や産業排水に起因する土壌汚染に伴う,コメのヒ素および重金属汚染が大きな問題となっている。農地のヒ素および重金属汚染は,コメ中の重金属濃度を増加させ,汚染されたコメを消費することで国民に重大な健康リスクをもたらしている。

これに対し,従来は工場への排水処理設備の設置や,汚染農地への客土が対策として考えられてきたが,根本的解決という面においては有用だが,多大なコストや時間を要するという欠点がある。一方,既往研究によれば,稲品種や水管理方法によって,コメ中のヒ素および重金属濃度が変化したと報告されている。最適な稲品種と水管理方法の選定によるコメ中金属の低減対策は,従来対策と比べて適用が容易で,迅速な効果が期待できるリスク低減策となりえる。

本研究では,バングラデシュにおけるコメ消費に起因する健康リスクの低減を目指し,適用が容易かつ迅速的な効果が期待できる低減策として最適な稲品種,水管理方法の組み合わせの選定を行うため、稲品種,水管理方法の組み合わせごとの非発がんおよび発がんリスクを推算した。また,リスク低減策効果の検討を行った。