【国際誌PLOS遺伝学に掲載:細胞が「成長」を始める仕組みを解明】
私たちの身体を構成する細胞は,「増える・増殖する」能力と「大きくなる」能力を有しています.受精後,たった一つの細胞から多細胞生物の身体がつくり上げられるためには,しかるべき数までに細胞が増殖することと,細胞が固有のサイズに成長することが重要です.身体づくりの中で,細胞は盛んに増殖することで各臓器の構築に寄与するとともに,増殖していた細胞の一部は増殖を停止し、核内倍加と呼ばれる細胞周期を行うことで成長・肥大します.では,細胞はどのようにして増殖にブレーキをかけ成長・肥大をはじめるのでしょうか.私たちは,この疑問を解決すべくショウジョウバエを用いた研究を行い,増殖から成長への切り替えにTRiCと呼ばれる因子が必要であることを見出しました.本研究成果は,PLoS Genetics誌に掲載されます.詳しい研究内容は研究室HPにて紹介しています.
【掲載誌情報】
雑誌名 PLoS Genetics
タイトル Chaperonin TRiC/CCT supports mitotic exit and entry into endocycle in Drosophila
著者 Yuya Ohhara, Aki Nakamura, Yuki Kato, Kimiko Yamakawa-Kobayashi
掲載日 2019年5月9日(Early versionは4月29日)にオンラインに掲載
URL https://journals.plos.org/plosgenetics/article?id=10.1371/journal.pgen.1008121
【研究サポート】
本研究は公益財団法人 上原記念生命科学財団および文部科学省科学研究費助成事業からのサポートを受けて行われました.
【お問い合わせ先】
静岡県立大学 食品栄養科学部 大原裕也
E-mail: y-ohhara@u-shizuoka-ken.ac.jp