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共同研究の成果が、国際誌Journal of Food Science誌に掲載

 食品栄養科学部の学生・教員及び株式会社エコプロ・リサーチとの共同研究の成果が、学術論文として国際誌Journal of Food Science誌に掲載されました。

 そらまめは世界中で食べられているマメ科の植物です。種子部分を食べるのが一般的ですが、そらまめのスプラウト(新芽の部分)も食用にすることができます。スプラウトは種子と比較してビタミンやポリフェノールなどの成分が豊富ですが、そらまめのスプラウトに関しては詳細な成分組成などは不明でした。

 今回、食品分析化学研究室の学生と教員らは、そらまめスプラウトに含まれるポリフェノール成分を解明し、その抗酸化活性について評価しました。その結果、そらまめスプラウトには多くのポリフェノール成分が含まれ、それらは複数のフラボノイド化合物とL-ドーパ(L-ジヒドロキシフェニルアラニン)であることがわかりました。そらまめスプラウトの抗酸化活性はブロッコリーや大根のスプラウトと比べて数倍の強さであり、抗酸化活性には、これらのポリフェノール成分の中でもL-ドーパが大きく関与していることが明らかになりました。L-ドーパは体内でドーパミンに変換されて、脳内神経伝達物質としても働くことが知られている化合物です。本研究成果は、そらまめスプラウトの機能性解明に大きく貢献することができました。実際に、そらまめスプラウトは、ポリフェノールを多く含む「そらまめ豆苗」として関東地域のスーパーマーケットを中心に販売が始められています。本研究は、株式会社エコプロ・リサーチとの共同研究として行われ、学術論文として国際誌Journal of Food Science誌に掲載されました。

Okumura K., Hosoya T., Kawarazaki K., Izawa N. and Kumazawa S.: Antioxidant activity of phenolic compounds from fava bean sprouts. J. Food Sci., 81, 1394-1398 (2016)

食品分析化学研究室 http://dfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/labs/foodproc/