増田勇人助教(食品工学研究室)らの論文(International Journal of Heat and Mass Transfer, Volume 130, Page 274-281 (2019))が注目すべき優れた研究成果として、カナダのリサーチ会社Advances in Engineering(AIE)の Mechanical Engineering 部門で紹介されました。
本研究は、テイラー渦流と呼ばれる回転式二重円筒間に形成される特殊な渦流れを対象として、非ニュートン流体の伝熱特性を明らかにしたものです。実際の産業で扱う流体の多くは非ニュートン流体であることから、本研究成果は多くの応用例が考えられます。その応用例の1つとして、増田助教のグループは神戸大学工学研究科の大村直人教授、ワルシャワ工科大学の Hubacz Robert 博士と共同で、テイラー渦流を利用した食品の加熱殺菌装置の開発を目指しており、こちらの成果についてもすでに国際学術誌や国際会議で発表しています。
AIEは、工学における主要な国際学術誌から優れた研究論文を取り上げて、自社のウェブサイトで紹介しています。選考員はマサチューセッツ工科大学(MIT)やケンブリッジ大学など世界のトップ大学の研究者で構成されており、工学の全分野から1週間あたり20報の論文(全出版数の0.1%以下)が選ばれます。また、AIEは世界の民間企業にその研究成果の概要を周知し、コンサルティングやマッチングを行なっているため、今後の国際共同研究への発展が期待されます。
【関連リンク】
AIE社 論文紹介ページ
https://advanceseng.com/heat-transfer-characteristics-taylor-vortex-flow-shear-thinning-fluids/
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【論文情報】
<論文名>
Heat transfer characteristics of Taylor vortex flow with shear-thinning fluids
<掲載誌>
International Journal of Heat and Mass Transfer
<著者>
Masuda H, Shimoyamada M, Ohmura N
<URL>
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0017931018323135(外部サイトへリンク)