研究成果
研究成果
運動中の骨格筋での脂質代謝増加の分子メカニズム
AMP-activated protein kinase (AMPK)は組織内のAMP/ATP比が増加すると活性化され、脂肪酸のミトコンドリアへの流入量を高めて脂肪酸酸化を亢進する。筋収縮はAMP/ATP比を増加させるため、運動時の脂肪酸酸化亢進にはAMPKの活性化が関与し、有酸素運動パフォーマンスにも影響するのではないかと考えられてきた(AMPK仮説)。しかし、我々が作製した骨格筋特異的にAMPK活性を抑制した「AMPK-DNマウス」の検討では、AMPK活性が骨格筋の筋疲労にわずかに影響するものの、運動継続能力への影響は小さく、脂肪酸酸化への関与も低いことを示した(Am J Physiol Endocrinol Metab, 2009, Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol 2011)。
骨格筋のAMPK活性を抑制したAMPK-DNマウスでも、運動時の脂肪酸酸化は、
抑制されなかった。