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苦味をおさえる新しい方法論を開発:日本農芸化学会トピックス賞

日本農芸化学会トピックス賞

 

2016年3月27日から30日にかけて札幌で開催された2016年度日本農芸化学会大会において、食品栄養科学部からの発表演題が大会トピックス賞を受賞しました。この賞は社会的意義や独創性等の観点から特に優秀な演題に対して贈られるもので、今回は約2,000演題から28題が選出されました。伊藤圭祐准教授、河原崎泰昌准教授、渡辺達夫教授(当時)は昨年度大会に引き続き2年連続での受賞となりました。

                                       右:筆頭発表者の小池麻友さん、左:伊藤圭祐准教授

【演題】
食素材蛋白質の網羅的ペプチドアレイを用いた苦味マスキング剤の新規探索法 〜茶殻RubisCO由来EGCG結合ペプチドの解析例〜

【受賞者】
小池麻友1、黒田侑希2、伊藤圭祐1,2、石井剛志3、中村順行4、渡辺達夫1,2、河原崎泰昌1,2
(1食品栄養科学部、2薬食生命科学総合学府、3神戸学院大学、4茶学総合研究センター)
※所属は大会当時のものです。                                     

【成果の概要】
近年、食品に含まれる様々な機能性(健康)成分が明らかとされてきていますが、「良薬は口に苦し」というように、それらのほとんどは好ましくない苦味を呈します。どんなに健康に良いことが分かっていても、美味しくない食品を食べ続けることは困難です。そこで本研究では、ペプチドアレイという最先端の分析技術を応用することで、苦味をおさえる成分(苦味マスキング剤)を効率よく探索できる画期的な方法論を開発しました。この方法を用いて様々な苦味マスキング剤が利用可能となれば、美味しく無理なく健康成分を摂れるようになります。この方法は、こどもが苦くて飲むのを嫌がる薬等にも応用可能です。
 また本研究では、緑茶の出がらし(茶殻)を原料として、苦味マスキング素材“緑茶ペプチド”の開発事例も示しました。本成果は、食品産業廃棄物として大量に処分されている茶殻の有効活用にもつながる可能性があります。

本研究成果は、業界紙である化学工業日報(4月27日)にも取り上げられました。

【関連リンク】
食品化学研究室
生物分子工学研究室
茶学総合研究センター
(別ウィンドウで開きます)

(2016年4月28日)