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2007年3月27日

静岡県立大食品栄養科学部 臨床栄養学教授 熊谷 裕通

長寿の根拠を求めて(2) 生活習慣病『遺伝』より『環境』に比重

生活習慣病『遺伝』より『環境』に比重

厚生労働省が2000年に行った調査により作成した「都道府県別生命表」によると、静岡県民の平均寿命は、男性が全国8位、女性が全国14位といずれも上位に入っている。この生命表は、1965年から5年ごとに作成されているが、静岡県の男性は1975年から常に上位10位以内に入っており、静岡県が長寿県であることは疑いの余地がないようである。静岡県がなぜ長寿県なのかは明らかでないが、気候、食生活、県民性、医療事情などさまざまな要因がかかわっていると考えられる。

2004年の政府管掌健康保険生活習慣病予防検診受診者(全国で347万人が受診)を対象とした統計によると、静岡県の肥満者の割合は、男性27・2%、女性16・0%と、全国平均の男性30・2%、女性18・5%をいずれも下回っている。さらに、メタボリック症候群を呈する者の割合も、静岡県では男性11・0%、女性3・6%と、全国平均の男性12・5%、女性4・0%を下回り、静岡県は男女とも肥満者やメタボリック症候群の少なさでは全国10位以内に入っている。生活習慣病を引き金とした脳血管障害や心疾患などの疾病が生命予後を左右するようになった今日、肥満者やメタボリック症候群の少ないことが、静岡県の長寿を達成することにかかわっている可能性は十分考えられる。

生活習慣病は、遺伝因子と環境因子の両者が関与して成り立つと考えられている(図)。日本人が欧米の他の民族に比べて肥満者が少ないのは遺伝因子の違いによると考えられている。しかし、日本人でもブラジルやハワイに移住した人たちの間では肥満者の割合が大幅に増えることが知られており、食生活などの環境因子は、より重要な意義を持つと考えられる。

今後、さらなる長寿を目指すには、この環境因子に注目し、食生活の改善、適度な運動、ストレスを減らすこと、などによって、肥満・高脂血症・高血圧・糖代謝異常などのメタボリック症候群のリスク因子をさらに減らすよう努めることが必要である。また、生活習慣病は「沈黙のやまい」とも言われ、健康診断を受けなければ気づかないことも多い疾病である。定期的に健康診断を受け、早期にリスクを発見して対策を立てることも重要である。

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