研究紹介

植物による大気浄化の研究

窒素酸化物やオゾンなどの汚染ガスを植物が吸収し,大気浄化に貢献することが知られていますが,ベンゼンやアルデヒドなど主に炭素と水素からなる炭化水素に対する植物の吸収能力はほとんどわかっていません.本研究室では,最新の質量分析計(陽子移動反応質量分析計)を用いて,植物の炭化水素吸収を測定し,大気浄化能力を評価します。

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植物からのイソプレンとモノテルペンの放出

植物が生産し放出する非メタン系揮発性炭化水素(Biogenic Volatile Organic Carbon, 以下BVOCとする)の主成分はイソプレンとモノテルペンです。本研究室では,1998年以来様々な測定を行ってきました。

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ワサビの保持栽培

ワサビの辛味成分は根茎に多く含まれ,その根茎だけが市販されている。しかし,ワサビの葉にも若干の辛味があり,有用成分であるアスコルビン酸が多量に含まれていることが知られており,食品としての可能性を多く含んでいる。しかし,萎れやすく市場にはほとんど出回らない。そこで我々は,産学官共同研究にて,ワサビを葉が付いた状態で店頭に陳列可能とするため,光補償点付近の弱光照射による葉付きワサビ保持栽培システムの開発を進めている。最終的には高級鮨屋や蕎麦屋などには卓上型装置,大手スーパーなどには据え置き装置の供給を目指している。
 本研究では葉の鮮度保持に及ぼす光強度(弱光の程度)の影響を調べるため,光強度を4段階に変えて栽培した。また,光質の違いによって,鮮度の保持期間を伸ばせるのかも検討した。鮮度の指標として、ワサビの葉のアスコルビン酸(以下AAと略記する)含有量と抗酸化活性を測定し,葉の状態変化を観察した。また,根茎ではワサビの辛味成分の指標となるシニグリン含有量を測定した。

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田子の浦浚渫土砂のセラミクス化による植物栽培への利用

田子の浦の浚渫土砂は、年間13万㎥と大量で、現在その処分に困っています。本研究は、谷教授が東海大学在任中の1997年から2000年に同大学開発工学部素材工学科との共同研究で、この浚渫土砂をセラミクス化しバラの養液栽培用培地として利用できるか検証試験をしました。

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宇宙実験用植物栽培装置の開発

現在運営されている国際宇宙ステーションでは、植物を使った様々な実験が行なわれる予定です。本研究では、無重力という特殊な環境下でも問題なく植物を栽培できる装置の開発を目的としています。無重力では、自然対流が起こらず葉の温度が過度に上昇するなどの問題点や、無重力で水を植物に適切に与える方法の開発など多くの検討課題があります。

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営農型太陽光発電

農地の上に太陽光パネルを設置して発電しながら、農業を行う営農型太陽光発電は、農家にとって作物収入に加え売電収入が見込まれ、経営を安定化させる手段となります。

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『学術会議叢書28』第5章 再生可能エネルギー技術の進歩と課題 営農型太陽光発電における 電力生産と作物生産の両立


営農型太陽光発電を考えている農家や事業者へ

土地面積あたりのパネル密度を超えて、実際の遮光率が下がることはありません。例えば、30%の密度でパネルを設置すると、遮光率は30%を超えます。

つまり、この場合、1日の光の量は70%より低くなります。これまでの複数個所での測定で、60~65%程度まで光量が低下することが分かっています。設置業者によっては、透過する光の量を過大に予測値として示す場合があります。業者比較をするなどして、導入に当たっては作物の所定の収穫量が得られるように設置密度の決定には十分注意して下さい。