渡邉麻莉絵さん(牧之原市健康推進課:静岡県)

学部2015年度卒業(栄養教育学研究室)

Q1. どんな仕事をしていますか?
A1. 市の健康づくりと福祉の拠点である保健センターで、成人向けにメタボリックシンドローム改善のための保健指導(以下、特定保健指導)や食育ボランティア(健康づくり食生活推進協議会)の養成講座を主に担当しています。特定保健指導では、健診の担当課と連携しながら、実際の保健指導だけではなく事業の企画や評価も行っています。食育ボランティアの養成講座では、講義や調理実習を通して健康的な食生活を学ぶ講座の企画や運営を行い、食育ボランティアの養成を進めています。時には成人向けの業務だけでなく、高齢者向けに低栄養予防を目的とした訪問に行くこともあり、幅広い年齢層と関わります。また、管理栄養士である以前に公務員でもあるので、事務職と同様にがん検診などの受付をしたり、選挙事務をしたりすることもあります。

Q2. 栄養生命科学科の魅力を教えてください
A2. 県大の栄養生命科学科は少人数制の学科であり、同級生や先生方との距離が近いことが魅力の1つです。講義や実習を通して同級生との仲も深まり、現在も幅広い方面で頑張っている同級生に刺激を受けることも多いです。また、最前線で活躍されている先生方に熱心に指導していただき、質問等しやすい環境であったことはとても恵まれていたことだと社会人になった今、改めて感じます。特に、県大の栄養生命科学科では4年次に卒業研究に取り組みますが、先生には丁寧に指導していただきました。その時に学んだ知識や技術、思考は、現在の仕事においても必要なものであり、県大で良かったと感じます。研究室で行事ごとに料理をして先生、院生の先輩方と楽しく食べながら過ごしたのも良い思い出です。

Q3. やりがいを感じる時はどんな時ですか?
A3. 特定保健指導で、対象者から喜びの声を聞いた時です。入庁して特定保健指導を始めたときは、対象者に添った支援ができず同じ内容を繰り返してしまうこともありました。しかし、だんだんと健診結果や対象者とのやり取りから対象者の生活背景を想像し、対象者の目線で支援ができるようになっていきました。肥満と高血糖だった方には、職場の休憩時間に出されるスポーツ飲料について、飲料に含まれる砂糖の量を示しながら「まずは半分量を緑茶に変えてみるのはどうでしょうか」と提案しました。1か月後電話で様子を伺うと「話した通りにスポーツ飲料をやめたら、夜中に喉が渇いて起きてしまうことがなくなったよ。いいことを聞いたよ。」と言っていただきました。体重も順調に減っていて、その方に合った支援ができたと感じ、嬉しく思った瞬間です。