村松智加さん(聖隷浜松病院 栄養課:静岡県)

学部2019年度卒業(フードマネジメント研究室)

Q1. どんな仕事をしていますか?
A1. 聖隷浜松病院の管理栄養士として働いています。現在は主に厨房業務を担当しており、普通食の盛り付け、治療食や離乳食の調理、配膳等をしています。治療食の中でも、嚥下食やソフト食は、とろみ具合や食材の固さの調整がとても重要です。嚥下食は、ミキサーにかけた食材に増粘剤でとろみをつけますが、食材によってはもちろん、採れた野菜の季節によっても、とろみのつきやすさが変わってきます。なので、増粘剤の量はレシピ通りではなく、ツノの立ちかたや、食感で判断しなければなりません。衛生面はもちろん、食形態にも注意しながら調理を行っています。
また、入院患者さんを対象とした糖尿病教室も行っており、食品交換表を用いた食事療法についてお話をし、患者さんの食生活改善のサポートをしています。糖尿病食は決して特別な食事ではありません。「制限ばかりで食べるものがなくなってしまう」と不安を感じている患者さんも、教室で正しい知識を得ることで、ほっとした表情に変わる様子を見ると、教室のやりがいを感じられます。

Q2. 栄養生命科学科の魅力を教えてください
A2. 4年間で基礎から応用そして実践まで、幅広く学ぶ環境が整っています。その中でも、ほかの大学に比べ、基礎科目を重点的に学ぶことができるため、難しい課題に直面しても、自ら論理的に考える力が発揮できます。また、多くの実験・実習はグループごとに行うため、協力して課題に取り組む力や、自分の意見を伝える力も鍛えることができます。また、卒業研究では、一人一つの研究テーマを持ち、自分の興味のある分野の研究に打ち込むことができるのも魅力の一つです。

Q3. 栄養生命科学科で学んだことが役立っていると感じることはありますか?
A3. 厨房業務では、限られた時間内で、安全な美味しい食事の提供をすることが求められています。給食経営管理実習では、安全で効率的な調理工程の組み方や、大量調理の特性を学び、その知識が今の業務にとても生きていると感じています。
また、糖尿病教室では、栄養教育論で学んだ行動科学理論をもとに、対象者に合わせた効果的なアプローチをするように心がけています。