佐藤友紀さん(静岡県立大学食品栄養科学部 助教:静岡県)

学部2012年度卒業(栄養化学研究室)
大学院博士前期2014年度修了(栄養化学研究室)
大学院博士後期2017年度修了(栄養化学研究室)

Q1. どんな仕事をしていますか?
A1. 静岡県立大学で助教として勤務しています。教育活動では、学生に基礎栄養学に関する実験や動物実験・生化学実験などの指導をしています。また、研究活動では、研究室の毎週のミーティングで、研究室メンバーと各々の進捗や今後の課題などを話し合い、トラブルシューティングや研究の方向性を明確にするなど学生の研究活動のサポートが主な仕事です。また、栄養生命科学科の助教として、学科運営の業務にも従事しています。

Q2. 研究職を目指した理由は?
A2. 大学院で自身の研究を継続しているうちに、自身が観察している事象がどのような機序で生じているのか興味を持ちました。同時期に管理栄養士として病院で実習した際に、栄養療法・指導の根拠となるエビデンスがまだ少なく課題が多いことにも気づきました。これらのことを大学院で経験したことから、“栄養学の課題の根本”を自身で証明・解決したいと考え、研究職を目指しました。大学院に在籍している間に指導教員のサポートの元、海外の国際学会で研究発表を行い、海外の研究者との交流を経て国外の研究機関で研究活動をしてみたいと考えるようになりました。実際に博士後期課程3年の間に1年間留学し、卒業後も3年間海外留学を継続し、栄養学の研究者のスタートとして貴重な経験をすることができました。

Q3. 海外での研究生活については?
A3. 私は時間栄養学に興味があり、カリフォルニア大学アーバイン校 Paolo Sassone-Corsiラボで研究活動に従事しました。Paoloラボでは世界中の研究者を研究室に招待して交流する機会があり、トップジャーナルに成果を発表している研究者とも研究の議論をするなど刺激的な日々でした。海外の研究者は些細なデータでもポジティブに受け取り、研究の展開やストーリー作りの考え方が日本人とは違うなと感じ学ぶことがたくさんありました。研究技術云々というよりも研究に対する向き合い方についての違いを実際に感じ、彩りある留学生活ができました。

前列の左から2人目が佐藤さん


Q4. 大学選びで迷ってる高校生に一言
A4. 管理栄養士として、また栄養学に関連した職種で活躍するには管理栄養士の資格を取ることがゴールではなく、栄養管理における課題や本質と向き合う力を獲得する必要があります。それら能力を身に付けるために、本学の栄養生命科学科では4年時の卒業論文研究に力を入れており、管理栄養士の中でもリーダーとして牽引できる人材となるように、研究活動を通して指導をしています。博士前期・後期課程に進学することで、さらに研究活動を継続して能力の研鑽に務めることもでき、栄養学者としての道に進むこともできます。栄養生命科学科は、全国でも研究レベルが高く、世界レベルで研究者として活躍したいと思っている方は、是非とも入学を希望してもらえればと思います。