学部2014年度卒業(栄養化学研究室)
大学院博士前期2016年度修了(栄養化学研究室)
Q1. どんな仕事をしていますか?
A1. エスフーズ株式会社は、食肉産業の最上流である家畜の生産から、食肉の卸売、食肉製品の製造を経て、最下流の食肉の小売り・外食までを手掛けています。その中で私は、食肉製品の開発に携わっています。臭みのある内臓肉や硬いスジ肉を、おいしく・食べやすく加工し、価値ある商品を作る仕事です。原料の下処理方法や加熱方法、味付け用タレ(ソース)の配合調整など、製造工程ごとに何度も検証を行い、工場への落とし込みを経て、ひとつの商品を作り上げていきます。人気の外食店を食べ歩いたり、他社品を買い回って分析したり、市場で支持されている「味」を知ることも仕事の一つです。
Q2. 栄養生命科学科の魅力を教えてください
A2. 実験・実習の充実度が魅力です。実験器具や実習設備が充実しており、講義で学んだ「定説」が本当なのか身をもって体験することで、知識の定着率が格段に上がったと思います。また、静岡県立大学の栄養生命科学科では、卒業研究にも重きを置いています。ひとり一つのテーマをもって研究に取り組み、学部全体での発表会まで行います。この経験は、社会に出てからも非常に役立つ「伝える力(発表資料の作り方・話し方)」を養ってくれます。卒業研究に力を注いでも国家試験の合格率が高いのは、1~3年時までの充実したカリキュラムのおかげで、国家試験に必要な知識が自然と身に付いているからだと思います。
Q3. 栄養生命科学科で学んだことが役立っていると感じることはありますか?
A3. 食材や調理に関する科学的な基礎知識があることに、日々助けられています。例えば、「この商品をどうやって消費者に調理してもらうか」を考えるとき、合わせる野菜をどれにしよう(旬・下処理の手間・彩り・味のバランス)、調理方法はどうしよう(調理者のスキル・調理器具など)と食材・調理の様々な観点から検討します。その際、ベースの知識があるのとないのとでは、手間や時間のかかり方が大きく違ってきます。また、食肉に関する検定を受験した際も、食品学や調理学の基礎知識が大いに役立ちました。