研究テーマ

豆乳の加工工程の見直し

大豆の磨砕温度を変えて豆乳を作製した結果、60~70℃ではタンパク質のかたまりが大きくなり、不安定化することで豆乳の品質は低下しました。これに対して、80~90℃で磨砕することで、タンパク質の分散性はよくなることが示されました。
科学的なデータを基に豆乳の製造工程の見直しを進め、より高い品質の豆乳製造を目指しています。

鶏卵卵白タンパク質の変性と機能発現

卵白やその粉末を泡立ててメレンゲ状の泡にする際のタンパク質間の相互作用の解析を行っています。特に乾燥卵白粉末を泡立てるときは乾燥前のpHの影響が大きいことがわかりました。
卵白を加工処理することでメレンゲの性質を変化させ,新しい食感の創出を目指しています

食品製造プロセスの最適化

本研究では実験とシミュレーション(Visual Basic、Pythonなど)により加熱冷却や抽出、反応等の様々な現象を可視化し、最適なプロセス設計を行いたいと考えています。
例えば、豆乳中のたんぱく質の熱変性モデルでは、加熱処理温度や加熱時の昇温速度、加熱時間からたんぱく質の変性率をシミュレーションし、各条件における豆乳の物性値と比較することで、より美味しい豆乳の製造プロセスの開発を目指しています。

カロテノイドの体内吸収効率向上技術の開発

トマトに含まれるリコピンやニンジンに含まれるβカロテン、鮭やエビなどの赤色はアスタキサンチンと呼ばれ、全てカロテノイドの一種です。これらカロテノイドは強力な抗酸化作用を持ち、人体内では活性酸素の消去剤として働くことで老化予防やがん予防の効果を示すと言われています。そのため、カロテノイドの積極的な摂取によって内側から健康な身体を形成していきたいのですが、カロテノイドは結晶性が高いことから体内への吸収性が低く、10%以下との報告もあります。カロテノイドの健康効果を最大限に享受するため、乳化をベースとして体内吸収性の向上を可能にする乳化剤の選定や乳化方法の最適化など様々な検討を行っていきます。