食とヒトの健康に関わる環境を科学するユニークな環境系学科
本学科では、食と健康に関わる環境分野の専門的技術と見識を有し、地域社会の課題から、グローバルな問題までの解決に貢献できる人材の育成を目指しています。取り組むべき環境問題の解決には、問題を起こした科学技術・その解決に必要な科学技術や、それにより影響を受ける生命科学の理解と応用が必要になってきています。そこで、環境の解析に必要な分析化学、その応用として資源の循環や工学的処理について学びます。問題となる物質を知るための有機化学や無機化学、環境中での挙動を知るための物理化学なども学びます。一方、変動する環境での食料の生産という視点からは、植物学や食料生産について考えます。ヒトの受ける影響について、生理学や毒性学、生体機能学などを、また、次世代影響を知るために、生態遺伝学、発生遺伝学を学びます。これらの多様な分野について修得することにより、食とヒトの健康、そして食とヒトを育む未来の環境を創造する専門家を育成します。
資格取得を強力に後押しする教育体制
本学科のカリキュラムを履修することにより、卒業時には食品会社に必要な食品衛生管理者、公務員で活用できる食品衛生監視員の申請資格を得ることができます。環境分析、環境コンサルタント系の会社に必要な環境計量士、マスコミなどで活躍する気象予報士などの試験に役立つ授業 (環境計量士のための環境分析化学、反応有機化学、環境計量学など、気象予報士のための地学Ⅰ、地学実験)も用意しています。さらには、必要な単位を修得すれば高等学校教諭一種免許状 (理科)を取得することができます。
※環境計量士は、計量法第122条(計量士)及び経済産業省令(計量法施行規則第50条)で定める国家資格です。環境中の化学物質の濃度などについて計量証明を行う事業を行う事業所は環境計量士が必要になります。
国家試験の受験資格は特にありませんが、試験は難しく、合格率は約15%です。環境生命科学科では環境計量士(濃度関係)の試験のためになる科目を数多く用意しており、本学科の学生の合格者数と合格率は、令和元年度の試験(第70回)では5名、45%、平成31年度の試験は、9名、75%と、一般の合格率と比較して高い合格率を維持しています。
体験を通して課題解決能力を磨くカリキュラム
1年次には環境学や生命科学、語学などの基礎的な科目を多く履修します。2年次には2泊3日で行われるフィールドワークが待っています。3年次には、火~金の午後に環境生命科学実験でいろいろな種類の実験を体験することができます。3年次の後期からは、各研究室に分かれて卒業研究の準備、4年次には卒業研究を行います。この他、毎年、第一線で活躍している国内外の研究者の講演を聴講する学部特別講義や、毎月大学院で実施されている月例セミナーも聴講する機会を設けています。大学院にも多数進学しており、環境科学・生命科学・健康科学などの専門家として、国や企業の研究所や大学教育機関で教育や研究をする研究者、企業において専門的知識と経験を生かした技術者などの人材を育成しています。
国際的視野を持った世界で活躍できる環境技術者・研究者の育成
世界で活躍できる人材育成のため、英語教育に力を入れています。ネイティブスピーカーが担当する英語の科目は8単位と多く、その他、環境科学や生命科学に関連する英書の講読を学ぶ「環境科学英語」、「環境生命科学英語」、希望者は、「海外英語研修」に行くこともできます。また、海外の著名な研究者をお招きし、学部特別講義を毎年行っています。国際学会に参加している学生もおります。このように専門的・実践的な英語能力の習得を図っています。