食品生命科学科Department of Food Science and Biotechnology

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米国化学会の国際誌に掲載:韓国産ビーポーレンの成分プロファイルとパーキンソン病予防効果

食品栄養科学専攻の大学院生、食品栄養科学部の学部生、教員、および韓国の東亜大学との国際共同研究の成果が、学術論文として米国化学会の国際誌Journal of Agricultural and Food Chemistry誌(電子版)に公開されました。

ビーポーレンとは花粉荷とも呼ばれ、ミツバチが蜜を運ぶ際に付着した花粉がミツバチの唾液と混ざり合って団子状になったものです。ビーポーレンは健康食品の素材として海外で広く利用されています。

今回、食品栄養科学専攻および食品栄養科学部食品分析化学研究室の大学院生と学部生、教員らは、韓国産ビーポーレンの成分プロファイルをモレキュラーネットワークにより解析し、カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)という酵素を阻害する化合物ヒドロキシ桂皮酸アミド類縁体を発見しました。モレキュラーネットワーク解析は近年、分析化学分野で注目されているメタボロミクス解析法の一つであり、迅速かつ網羅的に様々な代謝物を分析することが可能な手法です。今回、モレキュラーネットワーク解析法を用いて韓国産ビーポーレンの成分を網羅的に分析することで、採取地域の違いによるビーポーレンの成分的な多様性を解明しました。またCOMTはドーパミンなどの神経伝達物質の不活性化を行う酵素であるため、COMT阻害薬はパーキンソン病治療薬として使われています。今回の研究によって、韓国産ビーポーレンにパーキンソン病やうつ病予防という新たな付加価値も見出されました。

本研究は韓国の東亜大学との国際共同研究として行われ、その成果は米国化学会が出版しているJournal of Agricultural and Food Chemistry誌(電子版)に掲載されました。

R. Miyata, S. Hoshino, M.-R. Ahn, S. Kumazawa: Chemical profiles of Korean bee pollens and their catechol-O-methyltransferase inhibitory activities.

Journal of Agricultural and Food Chemistry

食品分析化学研究室